King

SNSなんかではクリスマス関連の記事とクリスマス・ソングの投稿で賑わっている。もう終わったが。

こんなオレにも一日遅れだがクリスマスはやって来た。この2枚のレコードたち。

オレは80年代にちょっと流行ったキングのファンだ。リアルタイムで聴いた。イギリスのバンド。

キングはヒット曲『Love and Pride』の一発屋なのだが、2ndアルバムもいい。邦題が『薔薇伝説』って言うんだけどね。素敵。

オレは『薔薇伝説』を音楽評論家やラジオ局に送るプロモ盤で持っている。それはジャケットにもうひとつのジャケがあり、中身は非売品のブックレットが2冊入っている。安く買えたんだけどね。

『Love and Pride』が収録された『Steps in Time』は当時持っていたのだが、断捨離時に処分してしまった。一番上の写真の『Won't You Hold My Hand Now』もそう。

この2枚の12インチ・シングルはオークションで送料込み400円。安くない？？残念ながら国内盤ではないのだが、それでも嬉しいよ。出品者の発送が遅くて日曜に落札したのが今日届いたんだけどね。ちょっとプンプンだけどね。

『Won't You Hold My Hand Now』が1st『Steps in Time』からの2ndシングルで、『Taste of Your Tears』が『薔薇伝説』からの何枚目か分からないがシングル。

オレは『Love and Pride』辺りを追っていた頃は毎週テレビやラジオでチャート番組があり、深夜放送なんかも好きで聞いていたので、また行きつけのレンタル・レコード屋『CAMP』ではビルボードのチャートのコピーが一部50円で売っていたので、それを買ってチェック、そして輸入レコード屋『魔法陣』でレコードを買って聴いていた。地元厚木のレコード屋。

この頃は中学の友人で電子工作の天才たちがいて、オレは彼らの影響でワイヤレス・コンデンサー・マイクやFMラジオ・ステーション、カラオケ・メーカー、FM & AMラジオと近所に電子工作屋があったので、買いまくって作りまくっていた。コンデンサー・マイクをコンポのマイク・インに繋いで、ダブルデッキだからカセットをダビングしつつ、自分の声も入れてディスク・ジョッキーをやっていた。幸運なことに2本カセットが残っている。

電子工作はオレから切っても切れない関係で、オレはFMステーションと言うFMの電波に乗せてディスク・ジョッキーが出来ちゃうキットがあって、それを天才に1キロぐらいまで電波を伸ばす改造をしてもらって（電波法で100メートルしか許されていない）、近所の友人に『何時からやるから聞いてくれ』と電話して、ディスク・ジョッキーごっこを楽しんでいた。

大人になったら今度はエフェクター作りだ。たくさん作った。息子にも教えた。一緒に秋葉原にパーツを買いに行った日々をオレは今でもいい思い出にしている。

実は国内盤の方が音悪いかも。そう感じて来た。この2枚の12インチたち、めちゃ音いいよ。キックなんか迫ってくる感じだ。オレはハードオフでジャンク品のテクノの12インチたちを50枚ぐらい最近買ったのだが、どれも音がいいんだよね。まあ、レコードに音質は求めていないんだけどさ。

キングは生演奏なんだよね。こだわりがあったのかな？ドラムも生。タイトル曲はリミックスと言うことで再録音をしている。もちろんいいんだが、B面の曲もいいのよ。アルバムからの『Reprise』と言うバージョンで弾き語りも入っている。B面のもう一曲の方もいいよ。この頃はオレにとって永遠。

『Love and Pride』後、オレはメタルとハードコアに走ったので、チャートを賑わせている曲は『マニアックではない』としてチャラいと決めつけていた。特にハードコア・パンクは今みたいにキッズたちに掘りつくされる前で、一部の不良しか聴いていなかったし、イカ天の前でバンドブームがまだ来ていなかったので、情報はネットなんかなく、新宿のレコード屋『U.K.エジソン』に通って、オレはどちらかと言うとすぐにアメリカのハードコアに興味が移ったので、それらしいレコードを買って、聴いていたし、ギターはコピーしたし、スケートボードの第1期ブームに乗っかっていたからラジカセを担いでバンクによく行ってたりしていた。

まだ土壁のボロい一軒家に住んでいた頃、この頃が絶頂に音楽に夢中だったんだけど、その後、引っ越しをして土壁の家を取り壊した時に、オレはかなり当時の物をそこに残したままで、16歳まで買ったりしていた物は処分されてしまった。『今日取り壊すから物を移動させておけ』と言う父親の発言があったのだが、その日オレは学校で、帰って来たら土壁は無かった。U2の日本ファンクラブの会報とか、バンド・スコアとかビルボードのコピーや自分で作ったファンジン、カセットテープやウォークマン、マイコンなどを処分されてしまった。今でも惜しいことをしたと思っている。それに今だにその土壁の家や当時のオレの部屋は夢に出てくる。

今から20年前に大規模な断捨離をした時は、当時までの思い出を消したくてしたんだよね。過去は自分の『闇』だと思っていたから。これも失敗した。プログレやサイケのレコードなんて何万もして買ったのにオークションで売ってしまったもんな。CD-R AUDIOに焼くべきだった。テクノの機材も全て売ってしまった。『Mother』まで使っていたMac漢字トーク8も捨てちゃったしな。なんでそんなことするのかね？オレは？？

この2回の断捨離を得て、今オレは自分の部屋が人を呼べないゴミ屋敷になっていようが、オレは物を一切捨てない。レコードや機材は金がかかって買い直しは出来ない。これでも買い直した方なんだけどね。『魔法陣』で買ったパンクのレコードやその手のオムニバスなんかはタイトルも忘れていて二度と聴けない。

みんな、断捨離はしてはいけないよ。自分のルーツを売ってはいけないよ。それは魂だから。

改めてメリー・クリスマス。これから新作の最後の一曲を作るぜ。アイデアが溢れている。

オレは配信会社を変えたんだ。1月下旬になるけど自分の過去の作品が一挙に公開される予定。