Blackoly aka Shibaki
BlackolyことShibakiさんの新譜『MELT』が届きました。
ここ何年も現行の新譜で感動したことはないのだが(旧譜ばかり聴いている)、この作品はいい!
Shibakiさんは元々ヒップホップのDJ。オレは一枚しか存在しないDJ Shibaki名義のCD-RやShibakiさんの1st 12インチ『Document』も持っている。それに個人的にShibakiさんからいただいたmp3たちも大切に取ってある。
Shibakiさんは『Original Dub』で独創的なダブを作ってオレは非常に影響を受けた。それから何年経っただろう?満を期して発売されたばかりの新譜が『MELT』。
オレはちょっと個人的な理由からPayPalはやっていないのと、是非レコードで持っておきたかったのでShibakiさんご本人から銀行振込と郵便で送ってもらいました。クレジットカードが持てない10代の若き才能たちよ、Shibakiさんに連絡したまえ。
それで午前中に届いて早速開けて聴いてみた。デトロイト・テクノの影響があるとご本人が言っていたのでそのニュアンスも感じる。ホアン・アトキンスとかセオ・パリッシュとかの雰囲気。
でも、Shibakiさんはやっぱりダブの人だよな。ディレイの使い方が上手いよ。ミックスは違う人が手掛けたとジャケットにクレジットされていた。
『Kakigori』とかヤバイね。MPCのザラ付いたサンプルのドラムスはジャズでベロシティーが細かく打ち込んである。それにハイハットの開き方なんかも何パターンも用意して作ったんだな、と思って感心した。スネアはフラムが効いている。
リミックスも2曲入っている。YO.ANさんはBlackolyの『Dirty Channel』を出したレーベル『yygrec』の人らしい。
『Nocturnal Flower』はキックのピッチが高めでこれは意外だった。低音ブーストが当たり前になっている今日この頃にだ。TR-909かTR-808かは判別出来なかった。サンプルなのかな?
『Suspicious Person』は中期ベルトラムを感じる。ベースの反復とシンセのディレイが心地よい。ベースの低音が出しゃばっていなくていいのだ。シンセにはスペースエコーがかかった音色なんかもあるのかな?と感じた。
『Kakigori』はもう書いたけどドラムスがいいね。シンセは『Original Dub』を感じる。シンバルやライドなんかも細かくエディットしてある。ShibakiさんはDJプレイの時にフリー・ジャズとラーガをミックスしたりするんだけど(これはShibaki専売特許。)、そのフィーリングもある。ジャズなんだよね。
『Nocturnal Flower (Inner Science Remix)』低域の音像がすごいんだ。Tomも効いている。一箇所しか出てこないんだけどね。打ち込み上手いよ。この曲のドラム・サンプルは『Kakigori』でもあるんじゃないのかな?終わり方もいい。
『Suspicious Person (YO.AN Remix)』リー・ペリーのボイス・サンプリングか?シンセのリフが同じ音色で左右から違うフレーズで鳴っている。ハウスだね、この曲は。Blackolyの曲ってテクノでいながらBPMが遅め。シカゴ系のレリーフ・レコーズなんかはこの手の遅めBPMをよく出してたよな。120ぐらいがちょうどいいのよ、BPMは。
『Piuuuuun』このテルミンみたいなシンセは『Original Dub』にもあったよな?クラップが凝っている。何人もの手で叩いた感じ。安定のBPM。Shibakiさんはソウル・ミュージックを使ったsoundcloudのミックス音源もあるんだけどそれもいいのよ。『Piuuuuun』にはBlackoly meets Soul Musicを感じた。
オレはPro Toolsを使っているからAbeltonのことはよく判んないんだけど、サンプルのテンポを即座に合わせてくれるオート・シンクって言うんだっけ?とかPro Toolsではエラスティックって言うんだけどワープ機能があって魅力は感じる。Abeltonユーザー多いよね。MAX For Live!もすんごく興味ある。
以上6曲のフル・アルバムです。デジタル配信ではボーナス・トラックも入っているからデータでOKな人には美味しいかも。
PayPalユーザー&海外のユーザーはBandcampのマーチャンダイズでLPを入手することが可能。
あとLighthouse Records。ここは通販専門なのかな?
BUKI Recordsが復活したぞ!オレは君の才能に惚れぼれしているよ!!待っていたよ!!!
BlackolyのHPはこちら。
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