HIS MAJESTY'S POP LIFE
今の若い世代はCDなんて買わないし、CDって何?ってな具合らしいのだが、オレは買うね。
まず、「1999 デラックスエディション」。
まずまず満足な2枚組。リマスターをもうちょい頑張ってもらいたかった。しかし、当時の録音機材はオープンリールのテープで、長い時間が経っているし、音の劣化も承知だからこれで良いんだけどね。
でも、プリンスの楽曲って練りに練られてるよな。オレはギターをどうしても聴いてしまうんだけど、「1999」の頃はプリンスじゃなくて黒人のギタリストがいた。その彼が頑張ったんだと思う。かなり上手いよ。
R&Bでもないし、テクノでもないし、ニューウェーヴでもないし、どこにも縛られてない。しかも歌物。まだこの頃はサンプラーもないし、MIDI規格もなかったはず。要は工夫でなんとでもなっちゃうってことだね。見習いたいところです。
続いて「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ コレクターズエディション」
このCDの日本盤はとっくに発売が終わっている。オレは輸入盤で買った。でも、「1999」も中身は輸入盤だったから、解説や歌詞を読んでみたい気にはなったが、アナログで持っているので問題ない。
これが良い。オレはプリンスって言うと「戦慄の貴公子」から「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」までって決めてる。この前はオレの嫌いなR&B色が強いし、この後は機材的もサウンド的にも新しいものがなく、まあ楽曲重視ってことなんだろうけど、オレはあまり好きになれない。「BATMAN」なんてどこが良いのって感じ。
「アメリカ」の20分12インチバージョンはアナログからのリッピング。オレはレコード持っているけどね。他にも同じ仕様の曲があった。海賊盤なんですな、これは。しかし、マスタリングはいい基準ではないか。
さらに、来たって感じのこの1枚。「ヒズ・マジェスティーズ・ポップ・ライフ」
帯に日本盤のみの発売で当時500枚限定、レコード・ストア・デイで2000枚限定だとよ。オレはオリジナルのアナログを持っていたんだけど売っちゃったんだよね。それで長らく後悔していて、ついに再度聴けるようになったってわけ。
これがマスタリングが完璧でノックアウトだった。懐かしさも手伝ってだけど、音が半端なく良くてビックリ。やっぱり日本人の技術は世界でもトップレベルだと思う。レコードだとマスタリング違いが各曲で分かっちゃったんだけど、このCDは違うね。完璧。
オレは「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」が一番好きだな。オレが洋楽を聴き始めた頃、巷では「パープルレイン」一色で、オレも好きだったんだけど、まだガキでベースから楽器に入ったわけだけど、ギターの方がかっこいいって思ってて、「パープルレイン」のギターソロの一部分は「弾けそう」って思って毎日練習してやっと弾けるようになって、オレは最初RCサクセションとかも好きで、チャボみたいにリズムギタリストでもいいや、と思ったのが頑張ってここまで来ちゃった。
その一年もしないうちにこの「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」が発売されて聴いて本当にぶっ飛んだ。こんなのありかよって。特に「タンバリン」には「ありえねえ」って参ったもんな。オレはこのアルバムの全部のシングルの12インチを持っている。一回書いたか。「ラズベリーベレー」なんてオレは自分のためだけにライナーノーツ書いたもんね。当時の甘い記憶。
実は「タンバリン」もシングルカットされてるんだよね、日本だけかもしれないけど。オレは持ってた。売っちゃったけど。後悔してもしきれねえよ。
機材もそうなんだけど、売ってまた買い直しての繰り返しだよな。もうそんなの嫌だ。売った金なんて翌々日には消えてるよ。オレはもう全ての自分の財産は売らないことにした。ギャンブルだよ、売って買っては。麻雀や競馬と一緒だ。くだらねえよ。
「1999」は後追いなんだよね。「パープルレイン」を聴いてすぐに貸レコード屋で借りた。当時はカッセットテープ。オレは「1999」のカセットのラベル作ったもんね。相当暇人だったんだろうね。大人になってからレコードを買った。売っちゃったんだけど。
ちなみにこの3作はサブスクにない(厳密には未発表集がない)。夏の暑い日に18度で毛布にくるまってぬくぬくで聴くのも悪くないかもよ。
今のテクノを作っている奴らにもいい刺激になると思うよ。
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